前回、小石川植物園の乙女椿をご紹介しましたが、山茶花にも乙女山茶花と呼ばれる品種があります。

 下の写真の右が乙女椿で左が乙女山茶花です。

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 こうして並べてみると、乙女山茶花の花芯には雄シベが残っているので、見慣れれば両者を見分けることは可能かと思いますが、乙女山茶花では雄シベ全てが花弁に変わることもあり、実際に花だけで識別するのは容易なことではありません。

 そこで今回、乙女椿と乙女山茶花の見分け方を整理してみました。

 それはすなわち、ツバキとサザンカの見分け方とイコールです。


 千葉県佐倉市の国立歴史民俗博物館くらしの植物園のサザンカ展(平成27年12月1日~平成28年1月31日)で配布されたパンフレットに、ツバキとサザンカの特性が分かり易く解説されていましたので、それを参考にしました。


 乙女サザンカは、サザンカ品種群のカンツバキ群に分類されますので、上記パンフレットから、ツバキ、サザンカ、カンツバキの特性を抜粋し(一部改編)、必要と思われる幾つかの項目を新たに加えました。


ツバキ、サザンカ品種群の特性
  
 
ツバキ
サザンカ
カンツバキ
開花期
105
1012
113
大きさ
小輪~巨大輪
小輪~大輪
小輪~中輪
花弁
一重~千重咲き
(花形は多様)
一重~半八重
(雄蕊弁化なし)
八重~獅子咲き
(雄蕊一部弁化)
落花時の花弁
花弁と雄髄が合着
ばらばら
ばらばら
花の香
ほとんどない
強い
弱い
子房の毛
ない
多い
多い
萼苞
開花後に落下
開花時に落下
開花時に落下
葉の大きさ
大型~極大型
小型~中型
中型

 
 上の表を基に、乙女ツバキと乙女サザンカを見比べてみます。

 開花期

 乙女ツバキは12月中旬に花を咲かせました。(小石川植物園;東京都)

 乙女サザンカは11月上旬に花を咲かせました。(FS箱田;群馬県)
 

 大きさ、花弁

 乙女ツバキ(左)も乙女サザンカ(右)も6~7㎝程の中輪です。

 乙女ツバキ(左)も乙女サザンカ(右)も花弁の多い千重咲きです。

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 落花時の花弁

 乙女ツバキ(左)は花の形のままに落花します。

 乙女サザンカ(右)は花弁がばらばらに落花します。

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 花の香

 乙女ツバキは全く香りません。

 乙女サザンカは微かに香るようですが、私はアレルギー性鼻炎で嗅覚に自信はありません。

 
 子房の毛

 乙女ツバキ(左)は全くありません。

 乙女サザンカ(右)の子房には毛が密生します。

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 萼苞

 乙女ツバキ(左)は花が落ちた後に萼片が残っていました。

 乙女サザンカ(右)は花が落ちた後に萼片はありません。

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 葉の大きさ

 乙女ツバキ(上段)の葉長は6~8cmでした。

 乙女サザンカ(下段)の葉長は6cm前後でした。
  
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 以上のことから、

 乙女ツバキと乙女サザンカは、落花時の花弁や萼の状態、子房の毛の有無で識別すると良いようです。



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