-- ハルサザンカとは --
小石川植物園の椿園の奥、金網で仕切られた立ち入り禁止区域の中に「手向山」の名札を付けた樹が花を咲かせています。

金網の向こう側に咲いているので写真が撮りづらく、数年前から通って撮影してきました。

木の根元には花が、花の形のままに散り落ちています。

このような花の散り方はツバキの特徴です。
しかし、注意して観察すると、花弁を落とした後の、メシベの下の子房に毛が生えていました。
これはサザンカが示す特徴です。

実は、この「手向山」はハルサザンカといって、サザンカとツバキ(主としてヤブツバキとその園芸品種)との種間雑種またはその後代と考えられているものです。
ハルサザンカの花形は一重から八重までと様々で、その他の特徴はヤブツバキに近い様を示します。
ハルサザンカはこのように、ツバキとサザンカ両方の特徴を兼ね備えています。
花色は紅または桃色で、白花品種は少なく、「銀竜」「鎌倉絞」「飛竜」「笑顔」「凱旋」など、約50品種を数えます。
(出典:「冬の華 サザンカ」 国立歴史民俗博物館 編集)

また「手向山」の隣には、「桜鏡」も桃色の花を咲かせていますが、この木もハルサザンカの一種です。

「手向山」と「桜鏡」は金網の奥の1m程の場所に植えられていますが、根気よく通えば、手前に伸びる枝に咲いた花をズームを利かせて撮影することが可能です。
こんな場合は、一眼レフよりも軽いコンパクトデジカメを使って、手をギリギリまで伸ばして撮影すると、10枚に一枚ぐらいの確率で、それらしい写真が撮れたりします。
今日(12月4日)のように天気の良い日であれば、珍しいハルサザンカの花の写真を撮影できる確率も高まります。

今年は金網のすぐ横に、毛の付いた「手向山」の子房も観察できますので、今度の週末にでもご覧になられては如何でしょうか。
入園口の受付か売店で尋ねれば、情報が貰えると思います。