好奇心の植物観察

定年退職後に木の観察を始め、草にも手を広げました。楽しい日々が過ぎてゆきます。 (旧ブログ名 樹と木のお話)

2017年07月



 前回、全身に光を浴びるヤマグワが、異形葉性発現の機序を語る様子を見て、独立木を観察し、更に新しい成果を得たいと、八王子の小宮公園へ車をはしらせました。

 しかし、小宮公園の目的の木の前に立つと、根元には切り刻まれた枝が積み上げられていました。

 数日前までは下の写真のような姿だったのですが、

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 南側の枝が折れて、樹形が変わっていました。

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 今回は、南北の枝で異形葉の比較をするつもりだったのですが、すっかり出端をくじかれてしまいました。

 しかし、渋滞の甲州街道を1時間半もかけてやってきたのですから、ここでおめおめと引き下がる訳にはいきません。

 折り重ねられた枝の山から、幾本かを引き抜き、葉の観察を始めました。

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 枝に付く全ての葉が、切れ込みのない無分裂葉です。

 小さいものは5㎝程度、大きいものは15㎝程度の葉が隣り合っています。


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 そんなことをしていると、枝の山の中に、真新しい新緑色の枝を見つけました。

 そして、案の定、その枝の葉の全てが、切れ込みのある分裂葉です。

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 先ほどの枝と並べますと、一枚一枚の葉が大きく、薄くペラペラです。

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 枝を比べると、新緑色の枝は、瑞々しく柔軟で、少なくとも今春以降に伸び出たことに疑いはありません。

 一方、葉に切れ込みのない無分裂葉が付く枝は、硬く木質化しており、一定の年月を経ていることが明らかです。

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 新緑色の枝から葉を外し、地面に並べてみました。

 15枚全てが切れ込みのある分裂葉でした。

 新緑色より少し褐色がかった、その下部の枝に付く葉は、10枚が分裂葉で1枚が無分裂葉でした。

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 積み上げられた枝の山の中に、別の新緑色の枝を見つけました。

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 この枝の葉も同様に枝から外し、葉形を確認しましたが、20枚全ての葉が、切れ込みのある分裂葉でした。

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 更に観察を続けると、新緑色より少し緑が濃い枝の枝先に分裂葉(赤矢印)を見ますが、太い幹から伸びた、硬い枝に付く葉は全て小さな無分裂葉でした。

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 今回の観察は、枝の伸長力に充ちた、オーキシン活性が強いと思える、新緑色の若い枝での観察は、わずかに2本だけでした。

 データとしての信憑性、確実性の観点からは物足りなさが残りますが、今回得た観察結果も「異形葉性 オーキシン仮説」を支持すると考えます。

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筆者のホームページ 「PAPYRUS



 今回初めて訪ねた八王子の長池公園は、多摩丘陵の地形をそのまま残し、里山の自然環境保全をコンセプトに設計された公園です。

 公園最下部の池には、大正時代に作られた四谷見附橋が再建され、大正ロマンの優雅な姿を水面に映し出しています。

 その橋のたもとに、一本のヤマグワが植栽されていました。

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 ヤマグワの周囲には光を遮るものがなく、葉の観察対象として理想的な条件を満たしています。

 そのヤマグワの北面から、数本の枝が地を這うように伸び出しています。
   
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 その枝は、3~4年前に発芽したヒコバエのようです。

 石が敷き詰められた木の周囲へ、伸びやかに枝を広げていました。

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左上写真:巻尺の150㎝は反対側からの3㎝です。
   
 その枝の根際の葉は、全てが分裂葉です。

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 枝先を見ると、2mを超えた辺りでも、分裂葉だけが枝を飾っています。

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 しかし、二つに分かれた片方の枝先を見ると、

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 枝先の葉はほとんどが無分裂葉でした。
 
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 この3~4年生のヒコバエは、本体の陰となるエリアを超えた辺りから無分裂葉が現れます。

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 枝先が二つに分かれた、日当たりが悪い、もう片方の枝先には分裂葉の姿がありました。

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 しかし、この当年枝の枝元の葉は無分裂葉ですから、想定されるストーリーは、葉に直接光が当たるか否かのような単純なものではなさそうです。


 筆者は異形葉性 オーキシン仮説」を基に観察しております。

 このヤマグワの分裂葉と無分裂葉の様子を、オーキシンと関連付けて考えるならば、

 3~4年生のヒコバエは、光が不十分な場所では枝を伸ばそうとする力が働きますが、太陽光が十分に得られる場所に枝が到ると、その枝に生じる葉は、それ以上枝を伸ばす必要がないことを察知し、枝の生育を止める筈です。

 つまり、十分な光を受ける葉には、枝の伸長生長を抑制するようなシステムが備わっていると考えます。

 一般に、木が枝を伸ばすのは、葉が光合成を行うために十分な太陽光を得る場所を確保するのが目的です.

 その目的が達せられたときは、それ以上枝を伸ばす必要はなく、枝への無駄な投資を避けるために、枝の成長を止めるシステムが備わっている筈です。

 そうでなければ、樹木は、髪の毛が蛇となったメドゥーサのような姿となってしまうでしょう。

 枝の伸長生長を主にコントロールしているのはオーキシンです。

 今回ヤマグワが見せた現象は、オーキシン活性の減少が推測される場に突然、無分裂葉が現れたことになると、筆者は考えました。

筆者のホームページ 「PAPYRUS


 「異形葉性 オーキシン仮説」の下に、小石川植物園でヤマグワの異形葉性観察を行いましたが、具体的に何かを言えるような結論を得ることはできませんでした。

 当然でしょう。

 今まで、クワの葉の不思議に魅せられて多くの人が観察を重ねても、仮説すらない現象に、
定年後の素人が、数本のクワの葉を観察たぐらいで、そう簡単に理解できるはずなどないとは思います。

 しかし、時間は豊富な定年退職者暇に任せ、ヤマグワの異形葉性発現の機序を探る無謀な挑戦に打って出ることにしました。

 はたして吉と出るか、撃沈されるか。

 さて、挑戦者は次のように考えました

 ● 今までの観察から、幾つかの樹種に生じる異形葉(切れ込みの入っ
   た葉)は、ヒコバエや苗のような、幹や枝が伸長成長する
   タイミングで
の発現頻度が、成木比べ高い。

 ● 樹齢の推移に即して、切れ込みの入った葉(分裂葉)と無い葉(無
   分
裂葉)の比率に変化が生じるように思える。
 
 ● 枝の伸長成長作用は、枝毎の微小環境条件によって異なるはずで、
   成熟木でも、同じ木に分裂葉と不分裂葉が共存することはあり得
   る。
    
 ● つまり、風などで損傷を受けた枝の再生時などには、古木に分裂
    があっても不思議ではない。

 ● 一方、様々な環境因子の影響を受けるフィールドでも、複数の木
   で、木全体の分裂葉と無分裂葉の比を測定し統計処理を行えば、
   樹
移に応じた異形葉の発現状況が明らかになるかもしれな
   い。

 ● とりあえず、ヤマグワを対象に、樹齢に応じた分裂葉と無分裂葉の
   比を観てみよう。

 ということで、ネット検索で「ヤマグワ 東京 公園」と入力し、都内の公園に植栽されたヤマグワを探しました。

 目黒の林試の森や茗荷谷の教育の森公園など56ヶ所がリストアップされましたが、練馬区や清瀬市、八王子市などの都内西部にヤマグワの植栽頻度が高いことが分かり、それらの地域に的を絞った調査を行うことにしました。

 16か所で予備調査を行い、小石川植物園を含めた8か所で24株のヤマグワの葉の形状と対象木の幹や枝の周囲長(≒樹齢)を計測しました。

 実施地と測定株数

 小石川植物園3株、教育の森2株、目白の森1株、武蔵野大学1株、
 東村山公園1株、八国山緑地1株、小宮公園3株、長池公園12株、

 ほとんどの方は、測定方法などに興味はないでしょうから結論を先に説明します。

 24株のヤマグワで3313枚の葉形を識別し、その葉を付けた幹や枝の周囲長との相関を求め、以下のようなグラフを得ることができました。


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 縦軸は各々のヤマグワで観察した、無分裂葉比(無分裂葉/判定数)です。 平均値0.53 (73.2/138.0)

 横軸は葉形を判定した葉が付く幹や枝の周囲長で、樹齢を推測します。

 =0.63という、かなり高い相関を認めました。

 付記する調査方法の改善で、さらに高い相関が得られるだろうと考えます。

 つまり、若木では、切れ込みの入った分裂葉の比率が高く、樹齢を重ねるにつれて切れ込みのない不分裂葉の比率が高くなることが明らかとなりました。

 周囲長が20㎝を越え30㎝となる辺りで、葉形の構成に質的な変化が生じるように見えます。

 (注:周囲長が1mを越えるデータを除外しても近似曲線とR2値に大きな変化は見
   られなかった為、教育の森の周囲長158.5㎝株と武蔵野大学210㎝株は、作画
   上の理由で、グラフ作成時に除外しています。)

 今回のヤマグワ異形葉性調査の結果をまとめますと

 樹齢が若いときには枝の伸長成長が活発であることが推測されます。

 樹齢の増加と共に木全体としての、枝の伸長成長活性が低下すると仮定すれば、

 枝の伸長成長を促進させる植物ホルモン(主にオーキシン)の活性が高い、若木の枝に生じる葉は、分裂葉の比率が高く、樹齢を重ねた木の枝の伸長成長活性は低下し、無分裂葉の比率が高まる。

 以上のことから、今回の調査結果は「異形葉性 オーキシン仮説」を支持すると判断しました。

 一方、ヤマグワとマグワでは動態が異なる可能性も考えられます。

 測定対象木は花を確認し種を特定すべきでしょう。

 等々、幾つかの問題点はあるものの、とっかかりの調査としては、まずまずの結果と安堵しています。


 付記:調査方法

 測定対象木の下から、枝を見上げ、デジカメで葉の様子を撮影し、PC画面上で葉形を判定し、分裂葉は△、無分裂葉には〇を付しました。

 下に教育の森のヤマグワの画像を例示します。

 葉形判断は下画像のように、葉に写る影の形も考慮しました。

 無分裂葉は葉形全体が確認できなければ判断保留としました。

 分裂葉は欠けた部分が一部でも写っていれば分裂葉と判断しました。

 上記内容から、調査方法にバイアスが掛かる可能性は否定しません。

 また、木の内側にある枝を撮影した場合、葉の重なりの為に判定数が減少し、相対的に外周部での判定が多くなりました、その意味でもバイアスの掛かる可能性があります。

  イメージ 2 イメージ 3

 同じ木の主幹とヒコバエで分裂葉と無分裂用の構成が異なるように、枝の伸長成長は枝毎に異なるはずですから、以下の写真のように途中で四つに分かれる場合は、測定対象とする幹の周囲長を計測しています。

 その意味で、分析に用いた周囲長の数値は、木本体の樹齢をそのまま反映したものではありません。

イメージ 4 イメージ 5
   
 撮影はカメラの最大画素数で撮影し、判定時に見易いように、得られた画像を画像ソフトで露出等を補正しました。

 下の写真の赤→を付けた葉のように、明らかに外傷による葉の欠損と分かるものは、状況に応じて適宜判断を下しました。

 その上で、青矢印の葉のように、判断に迷う場合は全て、集計から除外しました。

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 以上のことから、ヤマグワの葉に一ヶ所でも切れ込みのある分裂葉と切れ込みのない無分裂葉の発現頻度は、夫々の葉を付けた幹や枝の太さと相関関係にあることが確認できました。

 

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 小石川植物園のF030508の位置のヤマグワ(前ページを参照して下さい)は、西側に大きなケヤキが並ぶ場所に育ちますので、光を求め、枝を東へ向ける樹形となっています。
 (注:小石川植物園の幾つかのヤマグワには名札がありません。また筆者の配
    置図にも未記載です)

 樹形から、東の方向に枝を伸ばそうとする力を感じます。

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 幹の周囲に巻尺を当てますと、87.8㎝という結果が得られました。

 それなりの樹齢を経た木であることが分かります。

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 枝に茂る葉は、ありふれた緑の楕円形で、葉の縁に粗い鋸歯がありますが、葉の周囲に虫食い以外の凹凸は見られません。

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 更に観察しますと、枝先に切れ込みのある葉を見つけました。

 先ほどの葉と比較すると、枝から出る葉と次の葉の間が長く見えます。

 別の言い方をすれば、枝の伸びかたに勢いが感じられます。

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 一方、赤い矢印で示したように、密に葉が茂った枝に、切れ込みのある葉と無い葉が混じり合っていました。

 この状況から類推すると、クワの枝の形状に着目したアプローチをしても「異形葉 オーキシン仮説」を証明するのはかなり難しそうな気がします。

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 次に、名札の無いF050308のクワの葉を観察しました。

 このクワはモッコクの斜め前に位置しますが、2~3年前に実生で生えた木が切られ、その切り株からヒコバエが伸びだしています。

 花が確認できませんので、ヤマグワかマグワかの判別はできませんが、周囲の状況から考えてヤマグワの可能性が高いと思われます。

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 このクワの幹回りは2.8㎝でした。

 尚、この巻尺の150㎝表示は左からの3.0㎝に該当します。

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 このクワの全ての葉に切れ込みが入っていました。
   
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 続いて、名札の無いF060510のヤマグワの葉を観察しました。

 この木は、雌花の長い花柱の先端が二裂します。

 更に、葉の先が尾状に尖ることからヤマグワと判断しました。
 
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 この木の幹回りは34.5㎝です。
 
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 全ての葉が周囲に粗い鋸歯を持つ卵形で、切れ込みが入る葉は一枚も見出せませんでした。
   
 上記3株のクワ以外にもG090706の位置にクワが育ちますが、他の木が邪魔をして、葉の観察が十分に行えませんので、以上の3株で、小石川植物でのクワの観察を切り上げることにしました。

 観察結果としては

 ①  2~3年生の若いヒコバエの葉は全てに切れ込みを認めた。

 ②  幹回り34.5㎝の木は、全ての葉に切れ込みがなかった。

 ③  幹回り87.8㎝の木は、ほぼ全ての葉に切れ込みがなかったが、
    伸びを認める枝や一部の枝先に切れ込みがある葉を認めた。
 
 となります。

 上記結果をまとめますと。

 若い木に切れ込みが入る葉が付き、樹齢が進むと切れ込みの無い葉を付ける傾向がある。

 また、樹齢が進んだ木でも、一部の枝に切れ込みのある葉が付くことがある。

 となります。

 今回「クワの木の異形葉性発現にオーキシンが関わる」の仮説の下に観察を行いましたが、

 伸び盛りの若いヒコバエの葉全てに切れ込みが入ること、樹齢が進んだ木に切れ込みの無い葉が多く、一部に切れ込みがある葉も出現する、は仮説の想定範囲内です。

 とは言っても、小石川植物園内のクワだけを観察していたのではこれ以上の進展は望めそうもありません。

 そこで、東京都全域に観察域を広げ調査を実施しました。

 次回はその内容をご紹介します。

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 イチョウの異形葉性は、枝の伸長成長を促す植物ホルモン(主にオーキシン)が関わるだろうことを前回のブログで紹介しました。

 また、筆者がテーマの一つとしてきた向背軸型の不等葉性もオーキシンが関わることはほぼ確実です。

 例えば、複葉が十字対生となるニンジンボクに於いて、側枝の向軸側の葉は背軸側の葉よりも明らかに小さい不等葉性を示しますが、このような不等葉性は側枝に於けるオーキシンの偏在 関連付けて説明することができます に関わる可能性があると考えます(修正 2018年9月6日)

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 植物の葉の大きさにオーキシンが影響を与えている可能性は、他の枝よりオーキシンが強く作用し、生育速度が格段に速い、ニンジンボクのヒコバエの葉が通常の数倍の大きさであることから窺い知ることができます。

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 左:通常の枝の葉             右:ヒコバエの葉  
   
 興味あることに、ニンジンボクの葉は、通常は小葉の縁に粗い鋸歯がある程度ですが、それに比して、ヒコバエの葉は、小葉が切り刻まれたような異形葉を見せます。

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 通常は小葉に鋸歯がある程度          ヒコバエの葉の小葉は大きく切れ込む
   
 前回のブログで説明したイチョウも、成木とヒコバエの葉を比べると、ニンジンボクと同様に、イチョウヒコバエの葉は切り刻まれたような異形葉性を見せます。

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  イチョウの短枝の葉       イチョウのヒコバエの葉 
    
 筆者は数多くの植物の不等葉性を、オーキシンと関連付けて観察してきました。

 その目をもってイチョウなどの異形葉を観ると、異形葉性も、枝の成長をつかさどる植物ホルモン(主にオーキシン)が一定の役割をなすように思えるのです。

 以上のことなどから、筆者は異形葉発現に関し、一つの仮説を持つに至りました。

 「植物の葉に鋸歯を付加し、切れ込みや分裂などの変化を見せる異形葉性は、主として、その葉が付く枝の成長を促進させる植物ホルモン(主にオーキシン)作用の影響下にある」

 つまり、異形葉性発現には、オーキシンが深く関わっている筈と考えます。

 これを「異形葉性 オーキシン仮説」と称することにしました。

 で今回、上記仮説の下に新たな観察対象に選んだのがヤマグワです。

 名札のないヤマグワが小石川植物園のF030508の位置に植栽されています。
 (注:ハナキササゲの斜め後ろですが、配置図にはまだ記載していません。)

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 しかし、ヤマグワの特徴である ①葉の先端が尾状に尖る ②果実が熟した後2~3mmの花柱痕が残る、の特徴を認めますので、ヤマグワであってもマグワではないと判断します。

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 この木の葉を観察しますと、枝に付く殆どの葉は、縁に粗い鋸歯を持つ卵形~広楕円形で、葉に切れ込みはありません。

 しかし、この木の根元に育つヒコバエの葉は、これが同じ木の葉かと思うほどの切れ込みが入り、葉はアメーバーの如き形状を見せます。

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 ヤマグワの成木とそのヒコバエの葉を見比べて思うのは、ヤマグワはニンジンボクやイチョウと同様の機序で、異形葉を発現している可能性です。

 ブログの字数制限のため、ページを改め、ヤマグワの異形葉発現に関する観察と考察を紹介します。

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