小平市東京都薬用植物園で裸子植物の不等葉性を観察してきました。
タカネゴヨウ マツ科 薬用植物園
カヤ イチイ科 薬用植物園
薬用植物園のイチイで面白い現象を確認しました。
左写真の赤丸を右写真で拡大しています。
葉が①→②→③と枝の下(背軸側)へ位置を変えてゆきますが、その位置に応じて葉が長さを増します。
イチイ イチイ科 薬用植物園
イチイは線形の葉が枝の周囲を螺旋状に取り囲みますので、枝が地面と水平方向に伸びると、下の写真のように、葉の位置が枝の上方(向軸側)から下方(背軸側)へ少しずつ移行することになります。
小石川植物園
筆者は裸子植物が見せる、横向き(向背軸方向)に伸びた枝に発現する不等葉性を、オーキシンの濃度勾配に関わるものと推測しますが、葉の位置が枝の下側へ移動する毎に、葉の大きさが増大する現象は、その推測を裏付けるように思えます。
イヌガヤでも同様の現象を確認しました。
葉が①→②→③と枝の位置を変化させる毎に、僅かずつ葉が長くなるように見えますが、如何でしょうか。
当然なことに、筆者はこの植物園でも枝を持ち帰ることができません。
近い内に何とか、イヌガヤの葉を実際に計測し、葉の枝に於ける位置と長さの関係を数値で確認したいと考えています。