好奇心の植物観察

定年退職後に木の観察を始め、草にも手を広げました。楽しい日々が過ぎてゆきます。 (旧ブログ名 樹と木のお話)

2012年03月

 日曜日に大船植物園で満開の桜と梅の花を楽しんできました。
 
 今年の梅は冬の寒さで約一ヶ月遅れています。
 桜のソメイヨシノはまだ蕾でしたが、早咲きの「玉縄桜」(左写真)と「おかめ」(右写真)が満開でした。
 
 「玉縄桜」はソメイヨシノの実生株から選択育成した品種で、開花期が早いために、約一ヶ月に亘って花を楽しむことができます。

 「おかめ」はイギリスのイングラムさんがマメザクラとカンヒザクラを交配させて作った桜だそうです。
 
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 最近は早咲きの桜が各地に普及してきたので、桜を楽しめる時期が長くなってきました。

 そのうち、ヒマラヤザクラとの交配種などが出てくれば、半年以上に及んで桜の花を鑑賞できるようになるかもしれません。
 
 
 梅の花も満開でした。

 梅園では約50品種を栽培していますが、遅咲きの品種が華麗な花を咲かせていました。
 
 
 ところで、桜も梅も花の形がとってもよく似います。
 
 さて、突然ですが、ここで問題です。

 下の写真でどちらが桜で、どちらが梅かお分かりでしょうか?
 
 
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 かなり紛らわしいのですが、左が「春めき」という桜で、右が「巻立山(まきたちやま)」という梅の花です。

 見分け方は、桜では一枚一枚の花弁の先が凹んでいますが、梅の花弁は傷んでなければ、丸いままです。
 
 
 昔からデザイン化する時も桜の花は先が凹みますが、梅の花では丸く描かれます。
 
     sakura_parts_0桜        ill_ume01
 
 
 
 もう少しすると、楽しい花見の季節がやってきます。

 誰かさんと二人きりの時、花の話題としてご披露すれば、恋に花が咲くかもしれませんよ。


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 今年は冬が寒かったので、梅の花の開花が一ヶ月近くも遅れました。
 それでも、各地で可憐な梅の花が咲きそろいました。
 
 昨日は神代植物公園へ出かけ、色とりどりに梅が咲き、幸せな気分を味わうことができました。
 
 東京は今日と明日が雨の予報ですが、日曜日には晴れそうです。
 
 温かいお茶をポットに、太巻でも用意して、梅の花の香を求めて出かけになってはいかがですか?
 
 
 可愛く咲いた梅の写真で、幸せ気分を味わって下さい。
 
 
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    紅千鳥、    翁梅     道知辺、    滄溟の月 
 
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   長束        曙枝垂        無類絞り
         
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  鹿児島紅    塒出の鷹枝垂   唐梅      宝合わせ
   
 
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    台湾系       月の桂         森の関
 
 
 日本には500種以上の梅の種類を数えるそうです。
 
 暖かな日は運動を兼ねて梅園へお出かけになり、ゆったりとした休日をお過ごしになってはいかがでしょうか。
 
 
 全国の梅園のリストを以下にご紹介致します。どうぞご参照下さい。
 
 

筆者のホームページ 「PAPYRUS

 2月の末に小石川植物園でカンザクラが咲き始めたことをご紹介しました。
 
 今日、再び植物園を訪ねると、散ってしまっただろうと思っていたカンザクラが満開で私を待っていてくれました。
 
 前回開花を確認したのが2月26日ですから、満開になるまで、ほぼ一ヶ月掛かったことになります。
 前回は「来週の土日には満開になるかもしれません」と書きましたが、大外れでした。
 
 私のブログを読んでカンザクラを見に行かれた方、申し訳ありません。
 
 毎年満開になるまで、こんなに時間が掛かっていたでしょうか?
 
 それとも今年が特別なのでしょか。
 
 それにしても嬉しい誤算でした。
 
 わけなく嬉しいので、写真を4枚もご披露致します。
 
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 あぁ 誰か、隠し子を疑いませんでしたか、
 
 残念でした、このお子さんは偶然居合わせた方達のお孫さんです。
 
 あまりに可愛いので、お断りして、写させてもらいました。
 
 桜の花に、こんな安らかな光景がピッタリだと思いませんか?
 
 すぐ近くでは「早春桜」が2、3輪の花を咲かせていました。
 この桜も喜ばしい色です。
 
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 分類標本園の横ではヤブツバキがピンク色の花を存分に咲かせていました。
 これらを見てると、やっぱり春のイメージはピンクだなと思えます。
 
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 ところで、分類標本園でネコヤナギが何だかブツブツとぼやいているようです。
 
 ちょっと聞いてあげましょうか。
 
 「アーア、嫌になっちゃう。僕が花を咲かせても誰も花だと思ってくれないんだから。みんな、桜や椿みたいに、花びらがないと花だと思ってくれないんだもの。 マー 虫達だけでも分かってくれるから、それで我慢するか。」
 
 アー 本当です!  ネコヤナギは立派な虫媒花だったんですね。
 お見逸れを致しました。
 
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筆者のホームページ 「PAPYRUS
 

 
 「花を見て暮らしたい」と思うようになったのは、50歳前後の余暇に花の写真を撮り始めた頃からだったでしょうか。
 
 春夏秋冬、休みの日には車に寝具一式を積み、天気次第に北へ南へと車をはしらせ、花を見に行く所作を「花の旅」と名付け、ブログにその記録を綴ってきました
 
 今年も三月になり、近所の公園に梅の花が咲き始めると、もう我慢できず西へ向かって車をはしらせたのです。

 何時何処へ行くかは、十年以上も続けているホームページ「日本の花暦」で入念に調べており、全く迷うことがありません。
 
 今回は梅を探して、愛知県と三重県を訪ねることに致しました。

 その内容は「花の旅」で改めてご紹介させて頂きますが、このブログでは、旅で出会った侘助ツバキの話題をご紹介致します。
 
 数ヶ月前に「侘助ツバキは子房に毛がある」という内容をブログにしました。
 
 侘助の形に咲くツバキには幾つかの種類があり、その中の一つに「一子侘助」があります。
 
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 愛らしい赤い花を咲かせるツバキですが、一子侘助とは不思議な名だな?と以前から思っていました。 
 
 今回の旅では観梅を目的に愛知県幸田町に本光寺を訪ねました。

 本光寺は別名をアジサイ寺とも呼ばれる花の寺ですが、私はこの寺で偶然に、一子侘助の名の由来に答えを見付けることができたのです。
 
 
 初めて訪ねた本光寺山門の石畳の両脇には、枝だけを見せてアジサイが並んでいました。
 
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 本堂前の庭には三分咲きの梅が、暖かな春の陽射しを受けて花をほころばせていました。
 
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 境内には幾つかの掲示板が見えます。
 
 梵鐘は徳川家光の勅命によって1629年に作られたもので、徳川家康の名が記されているとの説明が見えました。
 
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 十一代忠恕公廟や願掛け亀と掲示された興味深い史跡などが幾つか並んでいました。

 結構なお寺さんのようです。
 
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 本堂脇に椿が花を咲かせていましたので、近づいてみますと、「本光寺五色八重散り椿」との記載があり、この一本の椿に五種類の花が咲くと解説されています。

 残念ながら、今日は一種類の花しか見い出せませんでした。
 
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 その先へ進んで行きますと、こんな掲示物を見つけました。
 
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 「三河椿郷本光寺椿園ものがたり」に記されていたのは、

 寺の裏山の椿園は幸田町の初代ライオンズクラブ会長であった上田敏朗さんの提言により昭和46年に作られたものだそうです。

 椿は750本、150種類を数えるそうです。
 
 最後に「一子侘助」の解説が付記されていました。

 一子侘助は故上田敏朗さんが発見した椿で、愛妻「一子」の名を取り「一子侘助」と名づけたのだと。
 
 そうだったんですね。

 思いがけない所で、長年の謎だった「一子侘助」の謂れに答えを見つけることができました。
 
 上田敏朗さん、どんな方だったのでしょうか。

 多分仕事もばりばりこなす人だったのでしょう。

 椿への造詣が深く、「一子侘助」のような可憐な花を愛でる心根の優しい方だったに違いありません。
 
 日本では古くから江戸、加賀、肥後とそれぞれの地域で椿の品種改良が盛んでした。

 戦の無くなった時代に武士たちは、たしなみとしての園芸に勤しんだようです。

 そして今の愛知県の尾張、三河にも中部ツバキと呼ばれる一群の品種が数多く残っています。
 
 上田敏朗さんもそんな時代の流れを受け継ぐ、平成の武士だったのでしょうか。


筆者のホームページ 「PAPYRUS」 
全国の花の名所 椿の名所」       
花の旅  「氷見に椿古木を訪ねる
 
 「五島列島の世界遺産と椿
北海道北限のツバキ探索
 

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 昨日は暖かな一日でした。朝のニュースではアイスクリーム屋に行列ができて、おでん屋さんの売上が落ちたと報じていました。
 
 近所の公園から甘い香りが漂ってきます。どうやら、園内に梅が咲きそろったようです。朝のひと時、マグでコーヒーのアロマを楽しんだ後、デジカメ片手に公園をゆったりと巡ってみました。
 公園に入るとすぐに、ショッキングピンクの梅の花が咲いていました。名札には梅の品種名「ミチシルベ(道知辺)」と掲示されています。
 
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 隣の枝では椋鳥が、花の蜜でブランチを楽しんでいました。
 
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 園内は甘い梅の香に包まれています。
 
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 この公園は、ちょっと個性的です。明治37年に東洋大学の創設者である、井上円了が精神修養の場として創立したのが始まりで、現在は中野区立哲学堂公園と呼ばれています。
 神田川の支流である妙正寺川を挟んだ両岸に、緑豊かな公園が広がり、園内には著名な哲学者のブロンズ像が並んでいます。
 
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 ちなみに、写真の右手下に臥しているのはアブラハム、立像は右から老子、釈迦、キリスト、エジプト第18王朝のファラオであるエクナトンだそうです。
 
 妙手寺川の橋を対岸へ渡ってみました。
 川の底ではカルガモが餌をついばんでいました。川の水は大都会とは思えないほどに澄んでいます。鴨の横に見える緑はもしかするとクレソンかもしれません。
 
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 肩口に水を受ける古い石仏の膝には、紅の椿と黄のマンサクが添えられていました。
 
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 振り返ると、川を覆うように伸びた桜の枝越しに、紅梅が春の到来を告げていました。
 
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